亡き母の面影殘る吾が家にて
亡き母の面影殘る吾が家にて獨り暮らすや夜咳一つ
快晴の空の下にて影見つる己憎しや影の頭蹈む
初夏の午後マドレデウスに調子合はせインコが歌ふやいと樂しげに
チューリップ花咲き老婆じつと見る齡重ねて日常いと愛しや
北風が南風に勝てりて寒くなり厚着す世界から身を隱すべく
野花摘む吾が影手折るが如く莖折るか斬首されたり吾が影の首は
死して尚屹度何かを思ふらむ亡骸ものと看做す能はず
亡き母の面影殘る吾が家にて獨り暮らすや夜咳一つ
快晴の空の下にて影見つる己憎しや影の頭蹈む
初夏の午後マドレデウスに調子合はせインコが歌ふやいと樂しげに
チューリップ花咲き老婆じつと見る齡重ねて日常いと愛しや
北風が南風に勝てりて寒くなり厚着す世界から身を隱すべく
野花摘む吾が影手折るが如く莖折るか斬首されたり吾が影の首は
死して尚屹度何かを思ふらむ亡骸ものと看做す能はず