サイトアイコン 積 緋露雪短歌集

葉櫻や毛蟲絲引き降りてくる

葉櫻や毛蟲絲引き降りてくる風にゆあんと搖れるも風情


何處より蝶舞ひ來るふたひらの花から花へと潔く潔く


霞む中白影の人何處へ行く彷徨ふ魂見失たるか


存在に怯えてそれは夢中のやう何處まで逃げても追ふは吾たり


獨りゐて鬱たる氣分抱へてはアルヴォ・ペルトの莊嚴しようごんな調べ圧倒す


春一番内なるものが蠕動ぜんどうすそれに喰はれて闇に溺れる吾
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